陽の出ている暖かい日が好きだ

暑くなく寒くなく

すぎる風が心地いいそんな日

 

――陽のあたる場所――

 


授業が終ったのを確認して飛鳥は廊下に出た
必死に押し殺していたあくびを、もう押さえる必要も無い
土曜と言う日和のお陰で
午前中だけで終った授業に感謝しつつ、空を見上げた

「今日は良い日だな」

まばらな雲に明るい空
少しくらい遠出でもして、郷を見下ろせる丘に行くのも良いかもしれない
うるさいのは得意じゃないから一之瀬は置いていくとして……
そうなるとコウも却下だし―――
しばし、考え込み
飛鳥は単純な答えを導き出す


一人で行くか
もとより散歩と単独行動は好きだったから苦でもなんともない
それならばと意気込んだ時、後ろから声をかけられた
「よう、探したぞ飛鳥」
悪い事をした覚えも無いのにビクリと肩が震えたのはご愛嬌
「―――綾人か」
妙に嬉しそうな声で、この男が己を呼び止める時は大抵面倒事が待っていた
その所以か、思わず嫌そうな顔をしてしまう
振り向いた先にあるのは、いつも通り温和な笑顔を見せる九条 綾人
「おいおい、そんな顔をしなくても良いだろう?」

笑顔を苦笑に変えて、少し長めの髪をかき上げる
照れた時と困った時の彼の癖のようなもの……まあたぶん今は困っているのだろうが
「元からこんな顔だ…で、何か用か?」
折角の午後からの予定を初っ端から挫かれた飛鳥は、機嫌が悪い事を隠そうともせず目の前の男を見つめる
「そう怒るなって。実は少し執行部の仕事が立て込んでてね、資料の整理を手伝ってもらおうと思ってな……まあ予定があるのなら無理にとは言わないさ」
機嫌の悪い事から予定をがあるのを察したのか
綾人は苦笑の色を濃くして飛鳥に背を向けようとした
「紫上で、事足りるんじゃないのか?」
続けて問えば、溜息交じりの返答が返される
「別件で今はいないんだ」
「そうか、だからか…」
しばし考え込み、結論が出たのか飛鳥は綾人に並んだ
「……飛鳥?」
「手伝ってやる、お前が頼み事ってのも珍しいし」

天気の良い日は、またすぐにあるだろうと思えた
ならば、この手の事を頼んでくる事の無い綾人に付き合うほうが面白いかもしれない
何故だか総代であるこの男に頼られるのは嫌ではなかったから

 

 

 


とか考えたけど、やっぱり甘かったか……
膨大な量の紙一つ一つに目を通し、分けていくのは意外に骨が折れる作業だった
と言うか、これを一人で出来ると思える人間はどうかしている
大して重要ではない資料は飛鳥が、重要なものは綾人がと役割を決めている分マシと言えばマシなのか
答えは出ないまま飛鳥は天井を仰いだ
良い天気の日に部屋の中にいるのはある意味拷問かもしれない
「おい、綾人!この量、絶対に今日じゃ……」
終らないと続けようとして、資料に埋もれている飛鳥その人は口をつぐんだ


丁度陽のあたる場所、ゆるゆるとした明りが机の上に降り注ぐ
照らされるのは、散らかされた資料と両の腕を枕にして眠る我らが総代

……寝てやがる
自分を手伝わせておいてとかどうとか以前に力が抜けた
小さく溜息をつき、起こしてやろうと資料の海からどうにか這い出し綾人の隣に立った
なるほど、気持ちの良い日差しだ
眠くなる気持ちも、あわよくば寝てしまう気持ちも分からなくはない
しかも…だ
責任感の強い彼のことだから、きっと無理ばかりしているんだろう

「寝かしといてやるか……」
見れば、重要資料の量はあと少しで、自分が一般の資料をどうにかしてしまえば彼を無理に起こさずとも事足りる
それでこそ、頼られたかいもあるってものか……
「でも、少し一休みな。俺も疲れた……」
綾人の隣の椅子に腰掛け、飛鳥はぼんやりと窓の外の風景を眺めた
暖かい日差しは外でも内でも平等に降り注ぐ

何となく眠る綾人を眺め、飛鳥は小さく笑った
どこまでも余裕があり脱帽するほどのカリスマ性をもつ彼だが、寝ている時は随分と幼い
いや、年相応なのか
「寝てれば可愛げあるのな、お前」


さて、珍しい物も見たことだし整理を続けよう
当初の機嫌の悪さは何処へやら、飛鳥は機嫌よく笑った

 

 

 

 


「えーと…どのタイミングで入ればいいんやろか?」
「わ、私に聞かないでよ〜」
「結菜はんから手伝って欲しい言われてたけど、帰った方がええ気がするわー」(遠い目)
「そうねーイナミンはりきってるみたいだしいっか」

 


という会話が部屋の外で交わされてたとか交されてないとか

 

 


END

 


□□□□□□□□

主人公×綾人でリベンジしてみた。
無理っぽい、無理っぽいよ
私が書く、この手の小説はどっちが受けだか分かったもんじゃないですね
下手をしたら友情でかたがつきます(涙)いつか普通に受け攻め書ける様になりたい

私の思う主人公はこんな感じですね
自分のプレイした選択肢で性格を決めるので、かなり偏るんですよね
基本、口が悪くて無口です。(あの顔でそうか)
妙に冷静で、声を荒げて怒る事は無いですね(大抵【冷】を選ぶので)
仲間は皆、気に入って入るのでしょうが
女は苗字、男は名前で呼ぶ所が素直に「こいつ……」って思います。ええ自分で。


でわでわ、ここまで読んで頂いてありがとうございました!!

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